お嬢さんとアドルフ・ヴェルフリ

 そういえば、金曜日に市美で、アドルフ・ヴェルフリ展を観てきました。
 名古屋飛ばしがなかったのは僥倖としか言いようがなかった。名古屋にダーガーは絶対来ないですからね……。
 会期中にもう一度観に行くつもりです。
 大好きな作家なので皆さんも是非観に行って下さい。ほんといいから!
 アドルフ・ヴェルフリに関して、改めて解説なども含めて観る事によってまた新たな知見や見方が広がった感じしました。
 人生への絶望から来る怒りを創作/妄想でどうやって折り合い付けていくかって言うのが、ヴェルフリの後半生の創作におけるテーマだったのかな、と感じました。ヴェルフリは、まさに「描かないと死ぬ」タイプの作家だったのだろうな。
 描かないと死ぬ、って言えるほど自分の絵が自分の血肉になっているとは思ってないので、ちょっとうらやましいです。(そういう生き方はかなり苦しくつらいハードモードなのだろうけども)
 ヴェルフリ展を見た後で、パク・チャヌク監督の「お嬢さん」を観る。最近映画は一年1本になってしまってほんと観てない。去年あんだけ騒がれたのにシンゴジも君の名はもこの世界の片隅でも観ずに帰ってきたヒトラー観てるくらいだから周りと話が合わなすぎる。
 日本統治下の朝鮮で日本の文化に憧れた変態貴族とそのお嬢さんの財産を奪おうと詐欺師が送り込んだ下女とお嬢さんとのBDSMもてんこ盛りのレズックスラブストーリーハイスピードサスペンスでした! むちゃくちゃ要約したけどだいたいこんなもん。
 予備知識なかった方が絶対面白かったけど、予備知識あってもそれなりに楽しめましたよ。映像美は、自然物はちょっと人工的に映しすぎて違和感あったけど、建物の中とかの撮り方は素直に綺麗だったし、テンポもさくさくで気持ちよく見れました。私の周り、この映画好きそうな感じの人いっぱいいるので是非見て欲しいです。横溝正史とか?江戸川乱歩とか?戦前の官能的な変態アングラワールドが好きな感じだったらきっと好きなんじゃないかなあ。横溝も江戸川乱歩も全く未読なので適当ですけどね!