東方儚月抄を真面目に考察してみる。

 中巻を読み返して漸く意味が解った事。
 コミックス派で、小説や落ちはネタバレしか見てないので見当違いな事を書いているかもしれませんが御容赦を。フォローや突っ込みがあればお気軽にどうぞ。
 罵倒はやめてね。

幽々子妖夢に対して、決して言動の意味を説明しない訳

 妖忌の方針を引き継いでいる為。
 妖忌は「技は盗ませる方針」。妖忌の態度と幽々子の態度は非常に良く似ている。
 剣道、武道などと「道」という言葉が付くのは、技を極める事が道=人生に通じるから。生き方全てが道に通じる。
 だから、説明して理解させるのではなく、考えて自分で発見する事に意味がある。


 妖夢は強いけど、未熟呼ばわりされるのはその融通のきかなさ、今目の前にある物しか見えない処にあるんだと思う。

レミリアは明らかに自分が囮だと解った上で、月に向かい、月人に喧嘩を売って(遊んで)帰ってきた。

 これはパチュリーの台詞からも明らかなんだけども、紫を出し抜く為だった月計画の目的が、パーティの時点ですり替わっている事(藍と橙を招待している。恐らく紫も招待したが、来なかったと思われる)、また、月に着いた後に、「周りの状況を読んだ上で」月人に向かって「さも目的を思い出した風を装って」侵略すると言い出した事。


 上巻読めばわかりますが、レミリアは月の技術になんか全く興味がない。
 月に行きたかっただけなんです。


 レミリアは、月に行ければ紫の囮だって一向に構わなかったんですよ。


 もう一つ考えられるレミリア達の役割は、恐らくは霊夢のお守り。
 霊夢も多分、時間稼ぎと囮で送り込まれる事は解っていたと思います。
 一番解ってないのは魔理沙かなあとも思うのですが、スペルカード戦を申し入れた時点でひょっとしたら理解していたかも、と言うところでちょっと悩むところではあります。


 結論:れみりゃは実は賢いよ! おこちゃまだけど。
 乗れる船には乗っかるぜ主義なんでしょう。


 ひょっとかするとレミリアの咲夜に対する台詞などから、れみりゃ一行は月人を増長させる為にスペカに手抜きをしていた可能性も無いとは言えないですね。あんまり本気弾幕を見せると、スペルカードの意義を理解しているかどうか解らない相手がスペカ戦を放り投げてマジになる可能性というのもなくはないので。


 追記。大事な事を書くのを忘れていた。紫に恩を売って優位な地位を保つ為。もっと他に適切な理由があるかもしれんが。

月兎の間に流れた永琳謀反人説は依姫・豊姫が流したんじゃない?

 政争がある事が前提ですが、政争で不利になった依姫豊姫が助けを求める為に、永琳を担ぎ出した説。
 ああいう噂を流す>月兎逃げ出す>幻想郷に逃げ込んで永琳と接触するのを促した。
 うどんげが幻想郷に逃げ込んだ時点で、依姫豊姫は幻想郷に永琳達がいるのは何となく解っていて、その上で放置したんじゃないかと思っています。でないと、豊姫が幻想郷に隙間を繋いだ理由も、レイセンがピンポイントで幻想郷にすんなり来れた理由も解らない。

 姉妹は永琳に月に戻って欲しかったのですが、レイセンが持ってきた手紙の内容が全く見当外れに見えた為、理解するまでに時間かかったのではないかと思われます(中巻に描写有り)。

輝夜が月でタブー視と言っていい程名前が出ない訳・そして月の使者について

 同じ蓬莱の薬を飲んで罪とされた嫦娥はタブーではないのに、何故輝夜はタブーなのか。
 恐らく、月を否定し月から出て行った彼女は月の民にとって忘れたい存在なのだろう。


 永夜抄テキストを読む限り、不死と化した輝夜を何度も殺したという描写がある。どうみてもリンチです。
 輝夜は月の民からかなり恨みを買っていたのではないだろうか?


 永琳が月の使者として輝夜を迎えに行ったのは、輝夜が問題児だった*1からで、月の使者というのはケガレと接する仕事なので、ケガレを嫌う月の民の中でも最高幹部である永琳がするような仕事では本来ない筈。
 つまり、月の使者は本来そんなに身分の高い者がする仕事ではない。
 綿月姉妹が出世したと永琳が発言しているけれど、あの二人は武闘派である事を忘れてはいけない。ケガレを嫌う為、嘗て我が国には武士を差別するという風潮があったのだ。
 「彼女らにしては」の留保付き発言と理解した方が良いかも知れない。

*1:月でも身分が高いので釣り合わなかったとか、自ら志願した可能性も無くはないのでここは保留