バルトの楽園

 トータルでいうと、以外と良かったです。以外。本当に以外。ホント今年はアジア映画の当たり年だな。
 編集技術ははっきり不味いのですが(それでも今のところ今年ワーストの「デュエリスト」よりマシかなあ。あれはアレで好きなのだが)、其れを差し置いても結構出来は良かったです。ちょっと説明的かなと思うところもありましたが、概ね尺の長さを感じさせない良い出来でした。
 でもとにかく編集がブッツンブッツンでどうしようもない。何なのこれ? プライド(東条英機が主人公の映画)と同じかほりがしました。スタッフ被ってねーか?


 役者の演技は冒頭の坂東英二がウルトラ大根でいきなりヤバさが漂っていたのですが、他の俳優は概ねまともな演技をしておりなかなか良い味を出していました。ちゃんとドイツ人俳優がドイツ語でしゃべってて、日本側の俳優も、ドイツ語シーンをしっかりドイツ語しゃべってたので(発音文法がどうこうは別として)すげー安心した。この辺を全部日本語でやると物凄く映画の質がショボくなるので、こういったところはちゃんと作ってます。以外と言っては失礼ですが、高島礼子は結構良かった。雰囲気ある、良い女優さんですね。えっちゃん(市原悦子)がちょい役ながら良い役やってて、やっぱりえっちゃんは巧いわと思った。
 一番驚くのは多分阿部寛ですね。全然わからんかった。役作りの為にかなりダイエットしたのでは。どうしてもおちゃらけたイメージと本人のキャラクターの灰汁の強さが目に付く人ですが、こういう役も出来る幅広い実力派なのだなあ。志をとヘルマン君にちょい萌えた。(萌えるのか?!)


 第九歌うシーンは編集技術の駄目さがもろに出て怠かったのですが、クライマックスの合掌はちょっとほろっと来てしまいました。ベートーヴェンのCD 欲しくなった。日本人が第九を愛する理由が解ったような気がします。ラストでカラヤンの第九が流れるんですが、聞き比べるとカラヤンのアレンジっぷりが遺憾なく発揮されてて、なるほどだからカラヤンは好き嫌いがはっきり別れるんだなと思いました。指揮者はみんな一緒じゃない、という事は、物の話には知っておりましたが、実際聞いてみて非常に納得できました。クラシックいいなぁ〜。


 元々メタルだろうが何だろうが壮大な音楽を好むので、クラシックとは親和性高いのです。クラシック好きの方、オススメの楽曲があったら教えて下さい。どっちかというと作曲家より曲であれこれ好きだ何だいう感じです。モーツァルトのレクイエムはベタですがいいですね。気になってるのはバッハで、好きなのはシューベルトです。スメタナの「モルダウ」なんか最高に好き。あれは何度聞いても泣ける。CD買い集めるのが面倒なのでクラシックはあんまり聴かないのですが……。図書館は揃いが悪くて変な楽曲しか置いてないので、あまり聴こうという気になれません。もうちょっとメジャーなのを置いて欲しい。