昨日の日記〜空に羽ばたく鳳凰

 夕焼け空を見上げれば、南の空に向かって羽ばたく鳳凰の姿が目に入った。(写真)透けた翼が高く、空を覆い尽くす。成る程、大陸には糞で村一つを潰した鳥がいると聞くけれども*1、かほどに大きい鳥ならばそれもありうべき事であろう。
 古来瑞獣は空に現われると伝説に語られてきたけれども、その正体はこんな姿だったのかもしれない。「雲じゃん!」と事も無げに曰う方もいるだろうが、そもそも瑞獣やら凶鳥やらはこんな姿で現われるものだったのではないだろうか? 鳳凰や龍が血肉を持つ生き物として存在していない限り、それは実在しないのだと現代人は考えがちだけれども、血肉を持たぬ存在は虚像であり、無であると決めたのは一体誰だったのか? 物理の次元に解体出来ぬ存在を存在と見なさなくなったのは、果たして何時の頃からだっただろうか?


 こうして、空に鳳凰は翼を広げている、其れで良いではないか。


 誰かの目には唯の薄く広がる雲であり、


 誰かの目には美しい夕焼け空であり、


 とある子供の目には、空を飛ぶ雄大な鳥の姿であり、


 とある市井のオカルティストには、古来の瑞獣に思いを馳せるきっかけであった。


 其れで、いいのだと思う。
 貴方には、何に見えましたか?

*1:調べたけれども、名前はわかりませんでした。御存じの方、教えて下さい。