永遠の闇の世界。

 会社からの帰り道、徒歩20分以上かかる道程を、痛む膝と脹ら脛を抱えつつ歩く。庄内川の畔はただ静寂と、湿り気を含んだ風だけが通り過ぎていく。地上の星の所為ではなく、しかし不思議と仄明るい闇空の中を、一人歩く。
 都会から闇が消え失せたのはいつだったか解らないけれども、私の描く永遠の闇の世界はこんな感じだ。きっとアレフガルドの闇の世界も、エロゲで書いた闇の世界も完全な真っ暗闇なんかではなくて、唯月と地上の灯りが無いだけが違う、そしてやはり陰鬱な世界だったに違いなく。
 無論そんな世界にも、真の闇はそこかしこで息づいているに違いなく、それは鬱蒼たる森の中だとか廃墟の建物の影で、無防備な光を呑み込もうと待ち構えてるのだろう。


 私達の世界には毎日夜明けが来るのだけれど、そんな世界の夜明けは、どんなに壮麗で、どんなに人の胸を打つ事だろう。チキショー。早起きして庄内川に行って夜明け見たい衝動に駆られるよ。物理的に無理だけど。