東方は知的ゲームとして優れてるんだよね。

 そういうジャンルにはまって妄想するのが私のヲタ人生だったわけですが。蓬莱学園とか女神転生とか、見事な厨ジャンルです。


 またぞろ儚月抄の話に戻りますが、某日記の中の人に教えてもらったブログのエントリ(月面戦争という空回り あるいは無血の意趣返しの意義について)が非常に興味深いものだったのですね。こんな風にみんなに弄ってもらえるZUNさんは幸せ者だと思う……って話は本稿とあまり関係ないので置いとくとして、このエントリは非常に興味深いのだけど残念ながら一つの欠陥が御座います。


 永琳の意図が何処にも含まれない。


 儚月抄は永琳と紫という賢者の知的バトルでもありそこが儚月抄のもう一つのキモでもあるにもかかわらずその点には一切触れられておらず、そこを触れてくれたら儚月抄の解釈ものとしては満点のエントリだったと思うので(私が正解判定を出すのも烏滸がましい話なのですが)惜しいな〜と思うのです。
 ちなみにこのエントリはここに正解を出す考察ではありません。狡い、借り物ふんどし相撲! トレスだ死ねばいいのに!(笑)


 永琳は事ある毎に、自分は月に帰るつもりはないと弁明し、綿月姉妹を助けるのは月の安寧の為だと説明していますが、これは嘘若しくはブラフだと考えていい。あまりにも何度も繰り返されている割には矛盾しています。(私自身は、永琳が黒幕という噂は綿月姉妹のブラフであって、助けを求める為に綿月姉妹が噂を流しているという仮説を立てましたけども)輝夜にまで何故月を助けるのか小説版でつっこまれてたと記憶しています。そういえば儚月抄ではブラフやハッタリ合戦が幅を利かせ捲っていて、本当の事をいう人が殆ど居ません。
 つまり発言する人物は殆どがハッタリとブラフであり、発言には全て裏の意味があると考えて良いのではないかと思います。永琳は月に未練たらたらだし、月を助けるのには何らかのメリットを求めてであって、綿月姉妹にたいするボランティアなどでは有り得ないという事です。


 以上、本筋から外れた話。
 輝夜が退屈だから働きたい、と永琳に持ちかけ、永琳が盆栽監視員を勧めた話ですけども、これもハッタリとブラフの解釈に沿って考えるとよく解る気がします。
 退屈だから働きたい、という言葉には、人の役に立ちたいとか人と関わっていきたいという真剣さは微塵もありませんし、本気ではないのがうっすらこの言葉から読み取れます。つまり、これは輝夜による永琳への「外界へと働きかける事の是非」を問うメッセージです。
 永琳の答えはNOでありますが、蓬莱の玉の枝の実がなる頃になれば自ずと答えが出るという発言からするに、ずっと引きこもっていろとは言っていません。ケガレが充分に溜まると花が咲くという事は、地上に馴染めばやりたい事も解るだろうという答えなのかもしれません。が、この場合はもっと端的に、事態が動くまでは自分の監視下から離れて欲しくないという事なのではないかと考えています。でなければ紅魔館に出かける際に輝夜を連れて行く事はなかったでしょうから。