音楽同人をマンガや小説と一緒くたに語るのは無理がある。

 某所(主に棘とかゲサロ)で音楽サークルが叩かれているのを見て、なんかおかしいなー違和感あるよなーと思ってたんだが、軋轢の正体が何となく解った。


 音楽やってる人と、マンガや小説書いてる人は元の作品に対する考え方が根本的に違う。
 音楽やってる人にとっては、原曲をアレンジする事は二次創作じゃなくて、その時点で創作だと考えてるんじゃないかと。


 昔の名曲のアレンジが原曲とは全く異なる価値を持つ事がありうるのが音楽の世界なんじゃないかと。
 キッスは目にしてのアレンジャーが、ベートーベンに対する強烈なリスペクトを持ってあの曲をアレンジしたとはあまり考えられないし、あれは同じメロディーである事は自明の理だけれども、全く別の曲として成り立っている。


 音楽やってる人達ってのは、元の曲を越えてやろう、っていうつもりで、いわば原曲に戦いを挑むつもりでアレンジしてるんじゃないかと思うのですよ。その立ち位置が他の二次創作者と異なるが為に、彼らの発言が軋轢を生んでいるんじゃないかと思われるのです(全部がそうじゃないけど)。
 音楽同人事態がわりと最近の文化で、それ以前はインディーズという土壌でやってた事が大半だったりするから、文化として根本的に別物だし、お金に関する考え方も同人程理念理念って言わない世界なので……というよりは、同人が理念理念言い過ぎなんだと思う。インディーズで、儲ける事が悪いなんて思ってるアーティストはアマチュアでもいないと思うよ。10年くらい前は良くライブに行ってたけど全然そんな話聞かないし、インディーズバンドを取り上げた雑誌*1でも精々、ファンに貢がせるヴィジュアル系バンドの話くらいしかそういう苦言はきかなかった。

*1:私の記憶が正しければ10年以上前のSHOXX