久々に新作書いてます。

 突如閃いたので、あらゆる作業をおっぽり出してDQ2のSSを書いてます。又勇者が悪人だ……。これしか書けんのかい。
 いや最近DQ2て破壊神復活しなくてもいいかしらんと妄想してるのですふふり。全くもってハーゴン萌えだぜ。


 DQi外伝が超ストップしてたりあれやこれやが止まってたり(他のを書いてたり)するんで、ちょっと今年は外伝の方に取りかかれないかも。ユカちゃんは描きたいんですが。10/7に本にして持って行くので、Webには載せない可能性が高いです。


 さわりだけちょっと引用。

 ロンダルキアは死者の搭最上階、二つの人影が窓際にある。
 大いなる呪いをかけようと思っている、と大神官は切り出した。
 呪いですか。悪魔神官は問うた。
 その問いには答えず、大神官は厚い雪雲に覆われた空に目を転じた。「度重なる戦に志気は薄れ、民も目に見えて疲弊している。敵も同じだが、我々には大地の加護が無い。実り豊かな土地は侵略者に奪われ、数の上でも我等は圧倒されつつある。元々、長期戦では勝ち目など無かった。魔族を戦線に投入したのも過ちであった。彼らは隙あらば我等の指揮下を逃れようと目を光らせている、到底信に値しない。古代の知恵も、現代の物量には叶わぬ。王子達が聖地に足を踏み入れた今となっては、最早一刻の猶予もならぬ」
「なればこそ、破壊神の復活を……」
「馬鹿者が。其れこそが、我等の急所ではないか」
 叱責を受け、悪魔神官は恭しく身を縮こまらせた。
「世界を刷新する我等の教えは『正教徒』共の手によって曲解され、世界を破滅に追いやる絶望をもたらす者として、我等は世界の敵として人々の目に映っている。どんなに此が我等に不利に働いているか、少しでもお前の足りぬ頭に閃いた事があるのか、この薄ら馬鹿めが」愚かと罵倒した部下には一顧だにくれず、苛立たしげに指の関節を噛んだ。「……言い過ぎた。そなたは民の望みを代弁したに過ぎぬ。だがな」
「解っております。若輩の分際で、軽々に過ぎました」悪魔神官は頷いた。「破壊神の召喚は余りにも危険な賭ですから」
 二重の意味で、と小さく付け加える。大神官も、頷く。世界の破滅と教団の瓦解を天秤に掛ける行為は、彼らとても、何としても避けたい事態であった。
「解ったなら、宜しい。直ちに使いを出せ」
 はは、と二つ返事で悪魔神官は退いた。
 足音が遠ざかるのを聞き乍ら、遥か虚空に視線を投げた侭、大神官は呟いた。
 掛からねば、其れが一番なのだがな……。