イーオン・フラックス

 ヒロインがイーオンという名前がAIONを連想させるわ世間様で女マトリックスと騒がれるわ、戦闘ヒロイン好きだわでやっぱり観に行ってしまいました。しかし後から気付いた。


 シャーリーズ=セロンが好きな訳じゃない。


 映画のシャーリーズ=セロンasイーオンは正直美しいと思えるシーンと、そうでもないシーンが4:6〜3:7位で何か微妙。シャーリーズ=セロン好きじゃないと面白さ当社比30%減でしょう。後、シャーリーズ=セロンの出演料で映画の予算7割って感じ? そんな映画です。せめて恋人役?くらいはもう少しイケメンを使うべきだ。という訳でネタバレです。


 サイバーパンクな設定は結構好きなのですが、残念ながらやや中途半端。もう少し全面に出したら良かったのに。世界設定等は突っ込みどころ沢山ですが(それにしても、反政府組織の名前が「モニカン」なんて可愛らしすぎて格好良さ半減)、和風セットの作りはかなりステキです。まこの映画のコンセプトは「西洋くのいち」だから当然ちゃ当然ですケド。映画のコンセプトからするに「女マトリックス」という称号は根本的に間違いでしょう。寧ろマトリックスよりはトゥームレイダー+100万回生きたねこ+風の谷のナウシカ(コミック版)って感じ?(本当か?)


 CGとシャーリーズで予算の9割使ってる映画ですが、残りの一割を割り当てられた中ではシサンドラがなかなか良い役でした。シサンドラはもうちょっと綺麗な子を使って欲しい気はしましたが、アジアンな顔立ちのアフリカンを使いたかったのだろうと思った。忍者だし。
 まあ他のキャラの役が脚本甘い所為であんまり生きて無かったっちゅうだけの事ですが、せっかく足が手だとかイーオンのパートナーらしいだとか言う美味しい設定があるのに、描写が甘い上に最後死んじゃうし! あれは実は生きていて、最後にイーオンを助けなきゃダメだろ。それがお約束であっても、そうじゃないとあのキャラが生きてこないよ。彼女は描き方一つでメチャ美味しいポジションになり得たので、脚本的にも彼女はもう少し存在感を持って描かれなければならなかった。でなければ、クライマックスでイーオンが彼女に助けを求めたシーンの意味が無くなってしまうではないか! クライマックスで何故シサンドラがモニカンに背いてイーオンを助けたのか、その心情が今一つ伝わってこないのは若干説明不足だと思います。そりゃ、見てりゃイーオンとシサンドラがパートナーなんだろうって事は解るけど、イーオンが強すぎるので、相棒として対等な感じの信頼関係を築いているという感じが伝わってこないし。
 主演を生かす為なのだろうけれど、サブキャラが死んでると主役も生きないよ。


 ウダウダ言いましたけど、忍者っぽい演出は結構好きでした。後もうちょっと力を入れたら良かったのになー。Yahoo!映画とかでは酷評されてましたけど、こういう世界観が嫌いじゃなければそこそこ楽しめます。