サド的道楽。

 知ってたと言えば知っていたんだけども、改めてデータインプットする事でああなるほどと認識を新たにしたり、新たな気付きをもたらしてくれる事もある。
 トホホ人物伝なる番組をだらだら見てたんだが、サドが描写する放埒や道楽の数々はそりゃ確かにあの時代でも「或る程度は」逸脱であるのだけれども*1、ぶっちゃけ「たかがあの程度」であるような気さえする。サドもそのつもりで書いたのかも知れないし、彼が付け加えたそれは残虐なシーンや、精々が肛門性交くらいの物であろう*2。否うんこは喰わなかったと思うが、あの時代うんこは宮殿中普通に巻き散らかされてたし。*3


 現代のデフォルトで過去を見ると怪我をするって話し。当時の状況をインプットしたので、もう一回「悪徳の栄え」を読み直してみようかな。
 本読みの楽しみというのはこういうところにもあるのです。ファンタジーでは絶対に楽しめない楽しみ方ですな。

*1:現代の、しかも日本の観念と比べれば、あの時代のヨーロッパの状況そのものが「逸脱」であったことを忘れてはならない。うんこまき散らし不潔虱まみれ貴族も然り、結婚したら浮気し放題がデフォなのも然り。

*2:ルイ14世の弟が女装のゲイだったのを考えると、特別に付け加えたわけでもないんだろう。サドも色々やらかしてますので彼が犯罪者であった事実は否定しませんが。

*3:ヴェルサイユ宮殿にはトイレが殆ど無かった。