夏祭り〜その郷愁と憂鬱

 近所で盆踊りが開催されたので観に行った。
 大した事をやるわけではない。テキ屋の仕切らない祭なんてこんなつまらない物はない。数年前から町内会有志が屋台を出すその夏祭りは、寂れて実に小規模な、しょぼくれたシロモノであった。
 私が小学生位の頃は狭い広場にみっしりと、その賑わいたるやそれこそいものこを洗うが如くであり、実に楽しく賑わっていた。当時は2日間開催ではなくて3日会開催で、町内会独自のイベントが幾つも催されていたものだが、今となっては往事の影。実に寂しいものだ。少子化の影響もあるのだろう。私はそこでどて煮と、チヂミという名の掻き揚げを食べて帰ってきた。行きはカメラを持っていって盆踊りの風景を撮影すれば良かったか、等とも思ったものだが、あんなのじゃ使えない。
 そうそう、そんな名古屋の夕焼け空は、素晴らしく美しかったな。後、どて煮も結構旨かった。

 母と話したところ、母はカラーひよこの存在を知らなかった。そんなものは見た事も無いという。地域差なのか何なのか。かくいう私もカラーひよこを目の当たりにしたことは唯の一度――それも地元ではなくどこかの天神さんのお祭りで、見たような見ないような――しかない。